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里山と巻貝の意外な関係
赤道再生プロジェクトで里山道の舗装材として使われているのはバカガイですが、これとは別に里山ととてもかかわりの深い貝があるのをご存知ですか?

その貝はイボキサゴという名の直径2cmほどの巻き貝。
東京湾岸が埋め立てられる前には里山のある久保田地区の海にも大量に生息していました。
そしてこの貝が稲作に重要な役割を果たしていたのです。

イボキサゴ(この地域ではキシャゴと呼ばれていた)漁が始まった時期は定かではありませんが、昭和のはじめごろまでは獲った貝を水田に鋤き込んでいました。
化学肥料が普及する以前のこの時代、イボキサゴは水田の肥料としてミネラル分を供給するとともに除草の効果も期待されていたようです。
現在ではヤドカリのマイホームくらいの需要しかないイボキサゴも、かつては農業には欠かすことのできない重要な貝だったのです。
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ちなみにこの貝、時代を一気に遡って4000年ほど前の縄文時代には食用にされていたようです。
袖ケ浦市の国指定史跡、山野(さんや)貝塚では出土する貝殻の実に80%以上がイボキサゴ!
もちろん小さな貝なので主食にしていたわけではありませんが、その出土量からダシや調味料として煮込み料理に使われていたのではないかと言われています。

現代でも味噌汁の具材にするといいダシが出ておいしいみたいですよ。

by SATOYAMA-walker | 2011-09-17 21:42 | 里山の今昔 | Comments(0)
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