2024.2.22追記:房総往還跡地に法面が整備されたため、切通し遺構は消滅しています。 房総往還は船橋で佐倉道と分岐し千葉、木更津などを経て安房方面へと至る道で、市内では県道287号線(旧国道16号)に相当します。 そのうち、袖ケ浦市久保田笠上から市原市椎津にかけては急峻な崖と東京湾に阻まれ海岸沿いの通行が困難だったため、現代の県道とは違う台地上に道が造られていました。 明治以降、県道が今の姿になった後もこのエリアだけはアスファルトで舗装されることなく、往時の姿のまま近年まで残されてきました。 下の写真は10年ぶりに訪れた2012年の房総往還の様子です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 房総往還の残る笠上山または旗立山(はったてやま)を市原市椎津付近から望む。 国道16号線を市原方面から袖ケ浦方面に向かう途中、道の先に壁のように見える山がそれで、かつては寛政の改革を行った松平定信や日本地図を作った伊能忠敬が通ったのもこの山。 現在では麓を県道のほかJR内房線が通っているため、知らず知らずに通過している人も多いはず。 幅約6m、最も高いところで3mほどの高さがあり房総往還の遺構としてはこの山で唯一のもの。 本来はこの先も道があるのですが、奥にあった畑が耕作放棄されたためか雑草が生い茂っていて先に進むことが出来ずUターン。 この道は管理者の不在に自然の浸食作用も加わって消滅の危機にあるようです。 ポールの右脇奥に見える坂を登って行くと代宿(旧代宿村)を経て、会が里山活動をしているかまくら街道へとつながっています。 これで全長約600mのうち半分以上が通行不能になっていることが確認できました。
by SATOYAMA-walker
| 2012-01-19 22:12
| 文化遺産
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